「イタリア版Xファクター」

イタリアの音楽というと、多くの人が演歌調のカンツォーネが脳裏に過ぎる事と思います。中学校の音楽の授業で「オ・ソレ・ミオ ‘O sole mio」などを教材にしていることも大きく関係しているでしょう。さて、現在のイタリアの音楽界はざっくり言ってしまうと「アメリカの影響が日増しに大きくなっている」といっても過言ではありません。イタリア語をほとんど使わず英語のみでアルバムを作る、など100年前のイタリア人だったらびっくりしてひっくりかえってしまうでしょう。

さて、そんな変化が如実に表れているのがイタリア版Xファクターです。Xファクターはイギリスのリアリティ音楽オーディション番組で、イタリア版は2008年からRai Dueで放送されていましたが現在はSky Unoで放送中です。番組は男女別、シニア、グループの4部門で構成されて、入賞者にはソニーミュージックと30万€の契約やサンレモ音楽祭メイン部門への出場資格などが与えられます。Xファクターからサンレモへ出て一流アーティストの仲間入りといったところでしょうか。

この記事を書いている時点では2018年の優勝者は決まっていません(優勝者は12回目の放送で決まるのでもうすぐです)。これまでで高評価を得たのはトラップやラップ音楽、そして英語の歌…、イタリアのカンツォーネが新しい段階に入りつつあることを感じさせます。最終レースに残っているBowland、Lao Gassman、AnastasioなどYouTubeで名前を検索するとXファクターと関連した映像&曲がたくさん出てくるので是非見てみてくださいね。