「イタリアの最新モード:電動キックボード」

EUでは新型コロナ第2波が到来しスペインでは一日の感染者が1万人を超えています。春に辛酸を舐めたイタリアは社会全体で非常に注意しているため、一日の感染者は2,000人以下に抑えています。第2波といっても結局夏の休暇で人が旅行したので感染が増えたので、どの国でも人の移動と共に感染が増えるという事情は同じですからしばらく旅行は要注意ですね。
さて、感染拡大に神経をとがらせていても人が大勢生活するところに流行が生まれます。イタリアの最新モードは電動キックボード。電動キックボードのシェアリング事業が始まるかもしれません。マスメディアで取り上げられるのはもちろんインフルエンサーもこぞって使っていることから今や流行に敏感な人の必需品のようになりました。人々に好まれる理由はエコ、電動でローコストであることですね。
でも小さな子供用と違って電動の大人用は速度を出すことも可能、ちょっとグーグルで検索するだけで時速25㎞を時速50㎞に改造する方法が見つかります。夜のローマ周辺の環状道路ではティーンエイジャーが電動キックボードでレースをしているので、映画「ワイルド・スピード」シリーズに電動キックボードが登場する日は近いかもしれません。
当然というべきか、盗難も増加の一途です。デ・シーカの映画「自転車泥棒」は盗まれた自転車を探し回る幼いブルーノと失業した父の胸が詰まる映画ですが、現在はそんな情けはありません。北部ボルツァーノではバンに積んでいた電動ボードは盗まれてすぐネットで売られました。
そして今最も問題なのは車道、歩道問わず二人乗りで逆走することです。ミラノでは108日間で136件事故が起きました。このままでは死亡事故も起きかねないと利用者のマナー向上が真剣に検討される事態になっています。また静音なことも危険要因になっているとか。罰則や罰金を設けないと改善しないだろうとも言われています。特にミラノでは人々が手軽でエコな交通手段として使うようになっているので今後は交通規制対象になっていくことでしょう。
日本では公道走行可能な電動キックボードがなかったのですが、2019年に国産電動キックボードが発売されたことや、新型コロナで生活様式が変わったため年代問わず急速に広まるかもしれませんね。