「新型コロナ第2波」

新型コロナ第2波により欧州は再び混乱しています。一時24時間の感染者数が6万人に上ったフランスは11月10日には2万2471人になりました。ではイタリアは?10日の感染者は3万5098人、死者580人でした。残念ながらヨーロッパで一日の感染者数が最も多い国です。さらに新型コロナ第1波渦中の4月14日では24時間の死者は602人でしたが、それに続く死者数の増加が懸念されます。先日発令された3度目の大統領令によりイタリア全土は感染の危険度に応じて3種類に分けられました。最も感染が深刻な地域は赤色で、該当地域はミラノが州都のロンバルディア、ピエモンテ、ヴァッレ・ダオスタ、カラブリア。危険が中程度の地域はオレンジ色で、該当地域はプーリア、シチリアでしたが現在はリグーリア、トスカーナ、ウンブリア、アブルッツォ、バシリカータも入ります。その他の地域は最も危険度が低い黄色となります。
いずれにせよ春のような完全なロックダウンではありませんが、どの地域であっても夜10時から朝5時まで不要不急の外出は禁止で、博物館や映画館、劇場、ジムなどは閉鎖されています。また生活の細部までが規定されました。例えば
・ 友達の家に遊びに行っても良いか?
赤地域:×
オレンジ地域:制限はないが、できるだけ避けること。居住地域内ならOK。
外出禁止時間は守る。
黄色地域:制限はないが、できるだけ避ける事。外出先は黄色地域のみ。外出
禁止時間は守る。
・ 離婚や別居で離れて暮らしている子供たちに会っても良いか?
地域に関係なく会うことができる。
・ 祖父母に孫を連れて会いに行くことは禁止ではないがやめた方が良い。高齢者の感染が際立って多いため。
現在のところ仕事や学校(地域によって閉校)も閉鎖されていませんがレストラン、ピッツェリア、バールは強く規制されているので業界関係者が各地でデモをして、市庁舎に爆竹やかんしゃく玉を投げて車が燃やされるなど一時不穏な雰囲気が流れました。政府としてはここで強く人の動きを規制して感染拡大を防ぎ、クリスマスを救いたいのでしょう。クリスマスシーズンまで規制してしまったら経済へのダメージは計り知れませんから。専門家によると新型コロナ第3波は1月と想定しています。クリスマスで人が動き、感染が再び活発になる…ということでしょうか。困ったものです。
 11月6日イ・プー(I Pooh)のドラム奏者で“永遠の少年”であるステファノ・ドラツィオStefano D’Orazioが新型コロナで亡くなりました。享年72歳でした。イ・プーは1966年ボローニャで結成されたバンドで2016年に解散しています。1990年のサンレモ音楽祭で優勝した“Uomini soli”は今でも良い曲です https://www.youtube.com/watch?v=6SSE34ISm4cで聞いてみてくださいね。ドラツィオは1年前から病気で治療中だったのですが、新型コロナに感染して1週間で亡くなったそうです。新型コロナ感染は亡くなるまで秘密にされていました。回復に向かっていた矢先に突然亡くなったということで、彼の訃報にイタリア中が悲しみました。
 最後に明るい話題を一つ。ランボルギーニはイタリアを代表する高級スポーツカーメーカーです。その創業者の孫である双子姉妹エレットラ・ランボルギーニが2018年歌手デビューに続いてジネーヴラ・ランボルギーニも“Scorzese”で歌手デビューしました。
 エレットラの今夏の曲“LA ISLA”はGiusy Ferreriとの共作でパンチが効いた曲です。 https://www.youtube.com/watch?v=6Z6VtVkCzDk
 ジネーヴラの曲はhttps://www.youtube.com/watch?v=5mDldP8zb7w
 エレットラは今夏コモ湖でオランダ人DJ&音楽プロデューサーのアフロジャックと結婚しました。結婚式にジネーヴラの姿がなく、姉妹の不仲が囁かれていましたが違うそうです。

ではまた。      
                            (文 唐木麻美)