「旱魃と猛暑」

日本ではいかにも梅雨らしい天気でジメジメした日々が続いていますが、欧州は大変なことになっています。天気予報によると20日から高気圧の影響で全国的に猛暑になるということで、Meteo.itの予報によると北部は29~36度、中部は30~36度、南部30~35度プラス熱帯夜で最高気温40度に達する恐れもあるそうです。もちろんスペインやフランスでも猛暑ですね。
近年明らかな気候変動を肌で実感する年が続いていますが、今年は悪化の一途を辿る気候をより一層実感する年になるかもしれません。なぜなら数か月前から続く水不足地帯が次第に北部から中部、南部へと拡大していることが一層鮮明になっているからです。イタリア最大の小規模農家組合ColdirettiのHPには北部から中部にかけて各州の被害状況と対策が説明されています。ミラノが州都のロンバルディア州ではベルガモ県が最もひどい状況で同県の自治体25か所で飲料水の制限が検討されています。なかでもトラダーテでは6時から24時まで洗車で水を使うこと及びプールに水を貼ることが禁止され、違反者には最高500€の罰金が科せられます。また大麦と麦が最悪30%程度減産になる恐れがあるとか。またワインが美味しいピエモンテ州では11の市町村でタンク車が出動する状況になり、また飼料用穀物生産も水不足で-30%と予想されています。ワインの原料であるブドウの生育も悪化しています。昨年山火事で大変だったシチリアでも気温が高いことが原因で水の供給が不安定になっているようです。同地で栽培されるウチワサボテンは大丈夫かな、余談ですがウチワサボテンの実はとても美味しいですよ。トスカーナでも雨が降らないので9月30日まで衛生をと持つための最低限の水しか使えなくなっていて、また様々な農作物が熟す前に落ちているようです。全て挙げればキリがありませんが、リグーリア州、プーリア州、サルデーニャ州(バッタの食害が拡大中!)、カンパーニア州、カラブリア州、アブルッツォ州、エミリア・ロマーニャ州、モリーゼ州、ラツィオ州、バジリカータ州、ヴェネト州、ウンブリア州、トレンティーノ州で水不足による被害が急速に拡大しています。政府は各州からの要請を受けてタンク車で水を届けていますが、昨今のエネルギー資源の高騰で輸送コストが天井知らず状態で右を向いても左を向いても農家にとって受難の年になるということでした。
ということで、イタリアの食材で長期保存が可能なものは今のうちに買い溜めしておくと良いかもしれません。また旅行は円安&コロナもやはり怖いですし、今年は延期するのが正解ですね。

ではまた