「最近のイタリアのあれこれ」

日本はすっかり春の陽気で…急に暖かくなって花粉が飛び交っております…

イタリアでは、昼は15~17℃ですが夜は11℃程度と、まだ少し寒いです。昨夜ウンブリアでまた地震がありました。日本と違って時々思い出したように揺れるのですが、地震の大きさはマグニチュード4,6、小さい地震にもかかわらず住居含む複数の建物から約30人が避難し、ペルージア、バスティア・ウンブラ、アッシジの学校は翌日臨時休校になりました。日本では話題にならないレベルの小さな地震で休校…日本の子供たちは羨ましくてしかたないですね。

3月8日の国際女性デー=ミモザの花が年を追う毎に日本でも定着してきたように感じます。桜吹雪の前にフワフワした黄色い花を愛でるのは良いものですが、イタリアではミモザ(アカシア)の木3本に1本が失われています。生産量が-30%にもなる原因は旱魃と、早く収穫された花を冷蔵するためのエネルギーが高騰していることにあります。イタリアで売られているミモザの90%以上は国産で、リグーリア州インぺリア県が主な産地です。ここ数年旱魃と気温の高さと反比例するようにミモザの収穫量が減少しています。2022年には気温が約1度(+0,98度)あがったことで生産量は前年比-30%になりました(コルディレッティ調べ)。この結果、小さなミモザ1枝の価格は5~10€(約720~1,440円)、物によっては20€になり、花束になればより高く、鉢植えに至ってはさらに高いのは言うまでもありません。要するに「ミモザ1枝の値段が昨年の倍になった」、これが一般の人たちの感覚です。政府の必死の努力で天井知らずに高騰していたガス代は下落傾向にあるのですが、効果が出るのはもう少し先でしょう。因みに2022年のイタリアのインフレ率は8,1%で2021年のインフレ率1,9%と比べれば“何でも高くなった”感がありますが、インフレ率歴代トップの年は1980年、なんと21,2%も上昇したのです。それに比べればまだマシ?かもしれないですね。

今年の国際女性デーで話題になるのが“女性に対する暴力と性暴力”です。イタリア内務省公安部の報告書によると2022年の1年間で125人の女性が殺人事件の被害者になりました(犠牲者総数は319人)。2019年と比較して12%増加、また性暴力も増加しています。一方ストーキングや家庭内暴力は減少しています。イタリアでは各専門家が対応してくれるDV被害女性用シェルターに通常6か月間滞在できますが、昨年はエネルギー高騰でシェルターを維持できないという悲鳴が各地の施設から上がっていました。

切実な悲鳴が上がっているのはアルプスの山小屋も同様です。原因は気候変動による気温上昇にあることは明らかです。トリノ県ローウレの山小屋Selleriesの管理人マッシモ・マナヴェッラ(54歳)によるとアルプス山脈標高2000m以上の場所では一見すると変わらないが、気温はマイナスにならず、数日前に降り積もった1mの降雪がみるみるうちに溶けていく…。「山小屋を仕切るようになって18年、こんなことは初めて」というのも、これほど高地であっても水不足なのです。2月には水不足のため一時的に小屋を閉鎖しなければならなくなったほど。またこの2年間まともに雪が降っていないことに加えて昨年の春と秋の降雨量が少なかったことが現在の惨状の惨状に繋がっていると言います。そのうち登山者はごみを持ち帰り、携帯トイレ持参、各自飲料水を持参することが義務になったりして…

 

ではまた